Low Melting Glass Paste
:: Glass Frit YPF-002 ::
< 基本特性 >
ガラス組成:スズリン酸塩ガラス
低温作業性と優れた光学特性ガラス
Model | YPF-002 |
Tg[℃] | 280-300 |
Tx[℃] | >450 |
Tw[℃] | 330-340 |
CTE[×10-7/℃] | 100-120 |
W.R[ppm] | 40-50 |
Refractive index[-] | 1.80 |
Transmittance[T% at outside] | 82-85 |
Sintering color | Transmission |
Gas Permeabilty[g/m2・24hr at H2O] | 0.036-0.041 |
Young's modulus[Gpa] | 33.2 |
Vickers hardness[Gpa] | 1.6 |
< Paste化困難な理由 >
Fig. 従来のビークルの燃焼状態
従来のガラスPasteに用いられるエチルセルロースやアクリル系のビークルでは、脱ビークルの焼成工程の温度域では、すでにガラス化生じてしまい、ビークルを内包し、信頼性を著しく低下させる。そこで、弊社は、この低温焼結が可能なYPF-002Modelでも使用可能なビークルを開発を目指した。従来のビークルの燃焼開始温度は、265℃付近で、燃焼が緩やかになる温度が382℃付近である。(昇温速度:10℃/min)
YPF-002のガラス転移点が、280-300℃であり、封着温度は330-350℃であるため、封着させた場合、多くのビークルが残存することになる。
< ビークルの開発 >
従来のビークルの構造として、環状の炭素結合と側鎖にアルキル基を含む構造をしている。そこで、燃焼温度を低下させるべく、環状構造では、直鎖構造かつ側鎖はメチル基などの炭素数の少ないバインダーを開発した。
Fig. 開発したビークルの燃焼状態
- | 燃焼開始温度 | 燃焼が緩やかになる温度 | 300℃時の残存量 | 残存量98%の温度 |
従来のバインダー | 265.6℃ | 382.7℃ | 86.55% | 497.3℃ |
開発したバインダー | 249.8℃ | 314.9℃ | 12.26% | 314.9℃ |
開発したバインダーは、燃焼開始温度の低下と、燃焼スピードが速くなった。
:: Paste化検討 ::
開発したバインダーでYPF-002のPasteを作製したところ、分離による沈降が生じやすい問題が現れた。これは、直鎖構造により、ガラス構造とバインダーがうまく結着しないことが要因と考えられた。そこで、沈降の問題を解決するため、ストークスの沈降式より、YPF-002の粒子径のコントロールによる、沈降速度を低下させる手法とYPF-002とバインダーの練り込む工程を従来の2倍以上長くすることで結着の向上に努めた。
Fig. 従来のビークルを用いたペースト
Fig. 開発したビークルを用いたペースト
Fig. 開発したビークルを用い、
工程変更したペースト
開発品は、使用前に10rpm程度で、1時間ローリングさせることで、安定して使用可能となった。
:: Paste化 ::
< 開発したペースト/プリフォーム >
形状プリフォーム化
ガラスペースト化
ソーダライムガラスの貼り合わせ
< 使用用途例 >
・セラミックパッケージの低温封止材
・不織布接着用途の結着材
・金属-セラミックの接合
・自動車関連のセンサー
・アクリル結着材の代替え材料
・光ファイバーの気密封止
・樹脂難燃剤
Optical Fiber
Semiconductor
< 推奨使用条件 >
① 加熱 | ② 乾燥 | ③ 脱バインダー | ④ 冷却 | ⑥ Heating | ⑦ Sealing |
5~10℃/min | 130℃ * 20min | 280℃ * 60min | 15~20℃/min (Natural Cooling) |
10~20℃/min | 330-350℃ |
Pasteの乾燥・脱バインダー工程において、N2雰囲気、大気雰囲気どちらでも可能ですが、N2雰囲気の方がよりバインダーの燃焼が促進されます。Sealingの際は、N2雰囲気で実施下さい。